2017年GNCモンゴルエコツアー報告

2017年GNC モンゴルエコツアー(9月10日~9 月12日)報告

1 バヤンチャンドマン村 GNC苗畑視察

【日時】

2017年9月10日10:30~

【場所】

トゥブ(中央)県バヤンチャンドマン村

【スタッフ】

高橋京子(GNC Japan 事務局長) 

バスカ(GNC Mongolia 事務局長 男性) 

オグナー(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 男性)

サラ(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 女性)

 

1)苗畑づくり

1030分にバヤンチャンドマン村にあるGNC Mongoliaの苗畑に到着し、全体を視察する。スタッフのオグナーさん、サラさんが成果を説明してくれる。今年5月に植えたアカマツの苗木は順調に育っている。本数は78万本。58月は毎日2回(朝晩)の水やりをしていた。9月からは3日に1回水やりをしている。夏は日差しが強すぎたので日よけの黒いメッシュの幕をかけていた。苗床の両端には生垣を植え、苗を守っている。来年用の苗床も準備済で、こちらの生垣もある。冬は寒気から守るため、厚い幕をかける予定。アカマツは弱いので作業を全て丁寧に行っている。

苗畑の奥に三年前から黒マツを約1000本育てている。また土に保水性を持たせ、栄養を土から取らない種類の雑草を生やしている

2017年5月に植えられたアカマツの苗

 

2 ボルノール村 植林地視察

【日時】

2017年9月10日14:40~

【場所】

トゥブ(中央)県ボルノール村

【スタッフ】

高橋京子(GNC Japan 事務局長) 

バスカ(GNC Mongolia 事務局長 男性) 

オグナー(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 男性)

サラ(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 女性)

 

1)森づくり

2015年植林地は活着率0%、隣にある2016年植林地は水不足のため5%しか残っていなく、残っているものも伸びていない。少し離れた場所にある2017年植林地に今年も1ヘクタールに2500本のアカマツを植えたが、活着率0%で枯れていた。今年の深刻な干ばつが原因で、国の農作物も干ばつのため2030%が育たなかった。植林の後、68月にほぼ雨が降らなかった。

 

ボルノール植林地周辺

残っていた苗  

 

3 ジャルガラント村 植林地視察

【日時】

2017年9月10日17:45~

【場所】

トゥブ(中央)県ジャルガラント村

【スタッフ】

高橋京子(GNC Japan 事務局長) 

バスカ(GNC Mongolia 事務局長 男性) 

オグナー(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 男性)

サラ(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 女性)

 

1)森づくり

2015年植林地は活着率0%、2016年植林地では50%が残っている。去年再植林もしたが、柵が動物に壊され苗が食べられている。かなり背の高いマツも生えており、松かさがたくさん落ちていた。自然に育ったマツも多いが、大きく育つには間伐が必要だ。

2016年植林地の丘を下り、もう一度丘を上った場所に2017年植林地がある。様々な植物が自生している場所。今年も1ヘクタールに2500本のアカマツを植えたが、ボルノールと同じく、深刻な干ばつのため活着率は10%。

 環境がいい場所だと木は育つが動物も人も集まり食べられたり伐採されたりする。環境が悪い場所だと動物や人は来ないが木が育たない。

 ジャルガラント植林地

自然に育ったマツ 

 

4 セレンゲ県 植林地視察

【日時】

2017年9月11日

14:40~(植林地:2004年秋万博)

14:45~(植林地:2010年春)

17:00~(植林地:2004年春)

 

2017年9月12日

8:45~(植林地:2006年春)

11:00~(植林地:2015年春、2014年春)

11:40~(植林地:2016年春)

13:15~(植林地:2017年春)

14:05~(植林地:2008年春)

14:30~(植林地:2007年春)

16:40~(植林地:2012年春)

 

【場所】

セレンゲ県トジンナルス他

【スタッフ】

高橋京子(GNC Japan 事務局長) 

バスカ(GNC Mongolia 事務局長 男性) 

オグナー(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 男性)

サラ(GNC Mongolia 森林・農場・苗畑担当 女性)

【参加者】

ジャムスレン(元・森林・動物センター長 男性)

 

1)森づくり

・2004年秋万博(2005年愛・地球博のプレイベントの際の植林地) 

活着率20%。雨が5~7月の間、全く降らない。8月半ばから雨が多い。(必要な時に降り、不要な時に降る)家畜に食べられている木もある。

 

2010年植林地

  一昨年と変わらず80%の活着。以前は動物に食べられていたがジャムスレンさんが近隣住民に呼びかけ、家畜が入らないようにした。青々としたマツがきれいに整列して育っており、遠くから見ても植林の成果が分かる。

2004年春植林地

  活着状況は去年と変わらず90%。立派な森になっていた。ストレスで葉が黄色くなっているマツがあったがこれは時間が経てば直る。病気で黄色くなった部分が地面に落ちているのがあるが、これは放置すると問題になるので、後で処理をする予定とのこと、ジャムスレンさんより。

 

2006年植林地

活着率75%で他の木も生えている。リスや鹿を発見した。病気の木は切ってその場で燃やしている。60kmに及ぶトジンナルスの森は、再植林しなくていいほど復活した。周辺住民が協力して家畜が来ないようにしている。だが最近は、鳥やリスなどがエサ不足で種を食べてしまう。

2015年、2014年植林地

活着率はいずれも50%。小高い丘で国境付近のため鉄砲の音が聞こえる。今年の伸びは良かった。他の木はあまり生えていなく、ところどころ大きなマツが生えている。

2016年植林地

活着率は85%。今年は雨が少なかったが無事に育っていた。自然にマツが新しく生えて、花も咲いている。

 

2017年植林地

  活着率90%でとてもよく育っていた。オグナーさんは到着した途端に走ってマツが植えられている場所に向かった。マツが無事に育っているか心配だったのだそうだ。今年の深刻な干ばつに負けず、よく育ってくれた。2014年~2016年の植林地は続いているが、2017年の植林地は道路を挟んだ向かい側にある。 

 

2008年植林地

    火事の跡地だが、少しずつ復活しつつある。現状の活着率は2030%。4mになるマツもあった。

 

2007年植林地

活着率は70%。3メートルを超すマツもあるので高さもあり密度もある。さすがに10年目ともなると安定した、頼もしい森になってきている。

 

2012年植林地

活着率は70%で順調だ。下草から青々としたマツが顔を出し、列を成している。

2004年秋万博植林地

2010年植林地

 

2004年春植林地 

2006年植林地

2014年植林地

2015年植林地

2016年植林地

2017年植林地

2017植林地

2007年植林地

2012年植林地

 

5  青少年育成特別教育センター訪問 文具の寄付

【日時】

2017年9月17日11:00~

【場所】

ウランバートル市立 青少年育成特別教育センター

【スタッフ】

高橋京子(GNC Japan 事務局長) 

バスカ(GNC Mongolia 事務局長 男性) 

【参加者】

ダムディンスレン(ウランバートル在住 男性60代)

エフシンツェレン(ウランバートル在住 女性60代)

 

1)概要

神戸市の学習塾、株式会社ティエラコムの生徒の皆さんから「勉強を頑張って貯めたポイントを使用してモンゴルの施設へ文具を贈りたい」という申し出があり、GNCが文具の寄贈を代行した。また、同ポイントは本年の植林費用にも使用された。

 

2)施設について

11時ちょうどに施設に到着し、車を停めた。文具を車から降ろす際、生徒さん達が走り寄って、荷物を運ぶのを手伝ってくれた。校長先生のラムスレン先生が迎えてくれ、施設についての説明を受けた。1991年に設立し、現在90名の生徒が在籍しており、年齢は3歳から17歳まで。ウランバートルの最も貧しい子どもたちを区ごとに調べて受け入れている。生徒の皆さんは、一生懸命勉強やスポーツをがんばっている。18歳から21歳の生徒は隣に併設されている職業訓練の専門学校に通い、それぞれ就職(または起業)のために専門技術を学んでいる。

施設の正面入り口

校長室にて 

3)文具の受け渡し

いよいよ生徒の皆さんと対面。ホールに着くと、80名の生徒の皆さんが、整列して待っていてくれた。

校長先生から歓迎の挨拶があり、その後高橋が皆に挨拶をした。

 そして文具の配布が始まる。上級生が下級生に、一つ一つを手渡ししていく。配布を待つ生徒さんの表情は、ドキドキ、わくわく、そわそわ。興味深そうに、受け取った文具をじーっと見つめる生徒さんの姿も。ティエラコムの日本の生徒さん達の気持ちを受け取り、有意義に文具を活用してほしいと願う。記念撮影では、受け取った文具を嬉しそうに高々と掲げポーズをとってくれた。

 

 しばし歓談の後、生徒の皆さんの表情がわずかに真剣味を帯びる。そして再度整列をし、一体何が始まるのかと思いきや、校長先生の掛け声とともに、80名の大合唱が始まった。

 なんとも言えない素晴らしいハーモニーだ。手拍子が入りつつも、しっかりとした重厚なメロディーに乗せられた、心の奥を揺さぶられるような歌声に驚きと感動を隠せない。続いて2曲目は、ゆったりとした曲調で始まった。サビの部分が高音域になり、モンゴルの大自然の美しさと雄大さを感じた。

 日本から来た私たちは、思いがけず歌のプレゼントを受け取った。お礼を伝え、生徒の

皆さんとハイタッチを交わし、別れの挨拶をした。

 

 施設を案内して頂いた後、私たちは別れの挨拶をし、再会を願い、施設を後にした。

校長先生からは、「今回、施設を訪問してくださり、生徒達に本当に必要な文具を頂き、大変感謝しています。ティエラコムの皆様と、GNCの皆様のご健勝をお祈りしています。」との言葉を頂いた。

 

上級生から下級生に文具を配布

 

たくさんの文具ありがとうございます!!

 

サプライズの歌のプレゼント

 

透き通る歌声 心に響きます

 

 

 

4)歌のプレゼント 歌詞和訳

1曲目

 人の住む世は喜びの気持ちが溢れる

 子どもの心のようなきれいな景色のもとで

 モンゴルのナーダム(夏祭り)の空で大きく羽ばたく

 たくさんの喜び  歴史を作りながら

 明るい気持ちで  自由に溢れる

 未来は遠くまで  はっきりと明るく見える  たくさんの喜び

 

2曲目

 どんなにいい人達を  神様が私に会わせてくれたのだ

 満月の下でどんな言葉でも言い表せない  人の心はどんなに広いのだ

 もっともっと広い心で  この気持ちを大切にしてゆきます

 

 

今回のツアーメンバー

 

セレンゲ県に出発する朝

 2004年春植林地にて 

 

サラ

オグナー                                  

高橋 京子

バスカ

ジャムスレンさん

運転手さん

 

 

事務局