モンゴルでの農場づくりに挑戦し続けるツォゴーさん
1999年より モンゴルの厳しい自然環境下、試行錯誤をしながら10年間農業に挑戦し続けているツォゴーさんとはどのような人物なのか、2000年、エコツアーに参加した「2000年度大阪府立大学海外農業研究会」のみなさんの印象をご紹介します。
ツォゴーさん
ツォゴーさんはGNCスタッフの一員である。車力村で通訳をしていたときにGNCの活動に感動し、GNCに参加することになった。そして、1999年から、自ら土地を耕して、キュウリやキャベツ、ジャガイモなど10種類以上の立派な野菜を作っている。実際に農場を見学したときにもらったこれらの野菜は大変おいしいものだった。
. .ところで、ツォゴーさんは他のモンゴル人とは一味違う。彼は日本人的要素とモンゴル人的要素の両方を持っているように私には感じられた。普段の何気ない話の中で、彼は、「日本の国を変えた明治維新はすばらしい」とか、「孫の代まで植林した土地を残すのだ」とか一般のモンゴル人からはあまり耳にしないことをしばしば私たちに熱く語っていた。しかも彼の愛読書は司馬遼太郎氏の本である。彼はいつも勉強熱心で日本語を学ぶためにこんな日本の本を読んだりもしているのだ。
基本的に勤勉な日本人的要素を持ちあわせているようだ。. .一方で、私たちはツォゴーさんの言動の中に誇り高いモンゴル人的要素を垣間見ることもできた。例えば、一緒にレストランで、食事をしていても、「このキュウリはマズイ、私の作ったキュウリの方がおいしい」といったように、彼は自分の作った農作物に誇りを持っていた。普段は優しい顔付きのツォゴーさんだが、農業のことになるといくぶん鋭くなるよに思えたくらいだ。このように勤勉な日本人的要素と、誇り高いモンゴル人的要素をもったツォゴーさんは、モンゴルにとっても、GNCにとってもこれから大切な人材だ。
ピラニア 国際協力-私たちが見てきたもの-より
2000年11月3日発行 海外農業研究会一同 編著
発行所 大阪府立大学海外農業研究会