愛・地球博 モンゴル国際植樹祭概要報告

 

 

愛・地球博 モンゴル国際植樹祭概要報告
実施日程 2004年9月18日~9月22日

【企画】
(財)2005年日本国際博覧会協会 (社)国土緑化推進機構
GNC(Global Network for Coexistence)
【協力】
モンゴル国立大学 駐モンゴル国日本大使館
モンゴル国立大学エコロジー教育センター セレンゲ県 森林・動物センター
自然の叡智」に学ぶモンゴルの森づくり事業
1. 事業名 モンゴル森林火災被災地再生・友好の森づくり
2.目的
モンゴル国の森林火災被災地において日モ両国のボランティアが共同で植林を行うことにより豊かな生態系を持つ森林を早期に復元する。 また、愛・地球博の開催地ゆかりの「モンゴリナラ」の苗木を、モンゴル国に贈呈することなどにより、そのテーマである「自然の叡智」の理念を共有するとともにふるさと回帰を通じ古来からの両 国の友好を確認する。
3.事業内容
(1) 事業地の設定等
セレンゲ県森林・動物センターの協力をえて、事業地(10ヘクタール)の設定、植林のための地拵、家畜被害防護フェンスの設置。
(2) 植林の実施
モンゴル国立大学、森林・動物センター、地域住民及び日本人ボランティアの協力によりアカマツ3万本を植林。
(3) 植樹体験会の開催
全国から募集した植林ツアー参加者及び日モ両国のボランティア約100名により、植樹体験作業、記念式典、案内板除幕等を実施。
(4) 記念フォーラムの開催
モンゴル国政府、大学関係者とともに「自然の叡智に学ぶモンゴルの森づくり」を考えるフォーラムを開催。また、緑の大使からモンゴル国へ緑のメッセージの伝達及びモンゴリナラ苗木の贈呈。
4.事業場所
(1) ウランバートル市(記念フォーラム)
(2) セレンゲ県スフバートル近郊トジンナルス(植林事業)
5.事業実施期間   平成16年6月~11月
6.事業地の維持管理   森林・動物センター、地域住民ボランティアの協力をえて実施。
≪ツアー参加者≫
一般募集参加者 22名 、 緑の大使:マリ・クリスティ-ヌ
(財)2005年日本国際博覧会協会:椋 周二事務総長代理、添谷 稔、平山一木、伊藤陽介
(社)国土緑化推進機構:田中正則専務理事
GNC(Global Network for Coexistence)
GNCモンゴルスタッフ: ツグトサイハン(GNCモンゴル代表)
GNC日本スタッフ:宮木いっぺい(代表) 松橋希世貴(理事)、矢野明子(事務局)
同行通訳:B・デミチッグ(在日留学生)、A.・ゾリグ(在日留学生) 現地通訳 バイガル
<オリエンテーション> 9月18日(土) チンギス・ハーンホテル会議室
参加者:日本からのツアー参加者22名 緑の大使&主催団体関係(含同行通訳)13名主催3団体の簡単な紹介と、緑の大使として同行されたマリ・クリスティーヌさんのお話、そして今回のツアーに全国(愛知、岐阜、三重、奈良、広島、沖縄、富山、新潟、茨城、神奈川、東京など)から参加された皆さん全員に自己紹介をしていただきました。日本国内で林業に携っていらっしゃる専門家の方や、ご夫婦、主婦のお友達同士、学生などなど年齢層も10代から70代までと幅広く、皆さん、とても明るく積極的にツアーに参加された動機などをお話してくださいました。会場には笑い声が響き、みるみる和やかな雰囲気に包まれていきました。
  
愛・地球博 メッセージ

20世紀には、新しい地球社会が生まれた。
信じられないほどの科学・技術の進歩・発展、高速移動手段の発達と情報・通信技術の進化が、人・モノ・情報の交流を地球規模で活性化させ、世界を一変させたのだ。
その結果、巨大化した人類の活動は、地球自然の許容量を超え、さまざまな危機を知らせるシグナルが点滅し始めている。
地球上の総ての「いのち」の持続可能な共生を、全地球的視野で追求することが、21世紀における地球社会の構成員総ての課題となった。
この課題を解決するために、私たちは愛・地球博のテーマである”自然の叡智”を縦糸に、豊かな交流を横糸にして、地球社会を包む、柔らかく、豊かさと美しさにあふれる織物を織り上げようと思う。それは地球社会の新しく、美しい装いになるだろう。
「自然のもつすばらしい仕組みと、いのちの力」に感動し、世界各地での自然とのさまざまなつき合い方、知恵に学びながら、多彩な文化・文明の共存する地球社会を創ろうではないか。
国家・地域・企業・自立した市民・NPO/NGO、ボランティアなどの地球社会を支える人々の多様な営みと多彩な参加が、美しい織物を織り上げるだろう。
多様な交流が様々な摩擦を生むこともある。だからこそ、私たちは人類の持つ理性と愛と美しいものへの憧憬を、大切に育てたい。
人間らしい交流の原点とは、何だろう。
それは人が人と出会い、語り合い、理解し合い、尊敬し合い、愛し合うことにあるのではないか。
そのための交流の舞台”EXPO 2005 AICHI,JAPAN”をつくろうと思う。
私たちは世界の人々に呼びかける。
AICHIに集まろう。互いに見つめ合い、微笑み交わし、抱き合い、多彩な知恵の交流する世界を、全身で体験し、全感覚で楽しもう。
地球の総ての”いのちと未来”のために!!

 

主催団体の紹介
(財)2005年日本国際博覧会協会2005年に愛知県瀬戸市、長久手町および豊田市において開催する2005年日本国際博覧会(愛知万博、愛称:愛・地球博)の準備および開催運営等を行う団体です。地球の輝かしい明日のために、私たちの夢の実現のために、初めての試みを満載した 21世紀万博の扉を愛・地球博が開きます。 世界中のすべての人々の知恵とチカラをひとつに集結して、豊かな未来社会を創り出す一大ムーブメントを繰り広げます。
みなぎる情熱、こぼれる笑顔、あふれる感動・・・、躍動感に満ちたエネルギッシュな姿が愛・地球博にはあります。そして、このステージの主役となるのは、やさしい心で結ばれた私たち一人ひとりです 。
  社)国土緑化推進機構社団法人国土緑化推進機構は、1950年、戦後の荒廃した国土を緑化するため国民参加の森林づくり運動を推進する母体として発足しましたが、半世紀を経た現在は人類共通の財産である森林の保全を国民運動として日本国土はもとより国境を越えて広く地球全体に向けて推し進め、それによって心豊かな国民生活の実現、日本文化の発展さらには地球環境の保全に寄与することを目的としています。
主な活動は、①全国植樹祭等の開催、全国緑化キャンペーンの実施、緑化功労者等の表彰、②緑の少年団の育成、森林ボランティア活動の支援、③緑の募金活動等です。


GNC(Global Network for Coexistence)GNCは、1995年7月、国際貢献に興味を持つ大学院生や会社員、医師などが集まって発足したNGO・NPOです。様々な地球規模の課題を抱えた新しい時代へ向かって、「自分達で何か具体的にできることはないだろうか?」「今は、とにかく行動に移すことがとても大切なのではないだろうか?」、こんな素朴な想いからスタートしました。
私たちは、3つの共存(coexistence)①人と人との共存、②自然と人との共存、③過去、現在、未来の共存を目指し、信頼のネットワーク(network)を広げながら、活動を続けています。現在、モンゴル国の多くの人々と共に、モデル農場作り、草原復元、植林、大学を含む各種学校との協働作業(交流会、セミナー開催、環境教育啓蒙ポスター作り、植物園開園)など様々な活動を通して、持続可能な地域作り、国作りをすすめる活動をしています。毎年、春に植林体験ツアーを実施し、秋に調査出張を行っています。また国内では、エコハイク(山と海にて)、テーマサロン、スタディツアー(昨年度は青森県車力村)、および複数のNGO・NPO共催の合同研究&活動報告会などを行なっています。
  緑の大使
マリ・クリスティーヌ MARI  CHRISTINE さん
異文化コミュニケーター
(国連ハビタット親善大使)
幼少期を日本、ドイツ、アメリカ、イラン、タイなどの諸国で過ごしたのち、 1970年帰国。
上智大学国際学部比較文化学科在学中に芸能活動をスタート。異文化のパイプ役としてテレビ、講演会などを通じて国際感覚あふれるパーソナリティーを発揮。
94年東京工業大学大学院修士課程(社会工学)を修了。00年国連ハビタット(人間居住計画)親善大使に就任。05年日本国際博覧会広報プロデューサーなど多方面で活躍中。
<モンゴル国際植樹祭開催記念フォーラム> 9月19日(日) モンゴル国立大学円形講堂
参加者:日本からのツアー参加者22名 緑の大使&主催団体関係(含同行通訳)13名
モンゴル国 学生ら一般参加者約80名
当初の予想をはるかに越えて多くの学生やそのご家族など、幅広い層の方々が参加してくれました。おかげで市民レベルの活気あるフォーラムになったと思います。また、当日、参加してくれたモンゴル国立大学の学生会の皆さんから、今後、是非、共に活動をしていきたいとの申し出もあり、新たな若い、頼もしいネットワークを広げることも出来ました。彼らとは、十分な話し合いを重ねつつ、新たな協働プロジェクトを立ち上げて行きたいと考えています。
プログラム
1. 開会 GNC宮木代表
2. 式典
(1) 主催者挨拶
① GNC(Global Network for Coexistence) (宮木代表)
② 財団法人 2005年日本国際博覧会協会 (椋事務総長代理)
③ 社団法人 国土緑化推進機構 (田中専務理事)
(2) 来賓挨拶
① 駐モンゴル国日本大使館 (清水参事官)
② モンゴル国自然環境省 (バルスボルド大臣)
③ モンゴル国立大学 (ガンツォグ学長)
(3) 緑の大使による緑のメッセージの伝達及びモンゴリナラ苗木の贈呈
① 緑の大使(マリ・クリスティーヌ氏)の紹介 (田中専務理事)
② 緑のメッセージの伝達(緑の大使からモンゴル国自然環境大臣へ)
③ モンゴリナラの苗木の贈呈
(緑の大使からモンゴル国立大学エコロジー教育センター バザルドルジ センター長へ)
④ モンゴリナラ苗木の育成・管理方法の説明 (バザルドルジ センター長)3.セミナー
(1) 講演  テーマ:『自然の叡智に学ぶモンゴルの森づくり』
モンゴル国立大学エコロジー教育センター (バザルドルジ センター長)
モンゴル科学アカデミー植物研究所 (ドゥガルジャヴ 所長)
(2)質疑応答(主催者、来賓も参加)
(3)愛・地球博の紹介(椋事務総長代理)4.閉会挨拶   閉会以降の予定確認モンゴル語(Mongolian)
 
主催者&来賓挨拶


開会挨拶 GNC(Global Network for Coexistence) (宮木代表)

財団法人 2005年日本国際博覧会協会
(椋事務総長代理)

社団法人 国土緑化推進機構
(田中専務理事)

駐モンゴル国日本大使館 (清水参事)   
モンゴル国自然環境省 (バルスボルド大臣)
モンゴル国立大学 (ガンツォグ学長)
緑の大使による緑のメッセージ伝達&モンゴリナラ苗木贈呈

「緑の大使」マリ・クリスティーヌ氏挨拶

緑のメッセージの伝達
(緑の大使からモンゴル国自然環境大臣へ)

モンゴリナラの苗木の贈呈
(緑の大使からモンゴル国立大学エコロジー教育センター バザルドルジ センター長へ)
緑のメッセージ ○  地球サミットにおける「森林原則声明」の採択に言及するまでもなく、今や森林は人類共通のかけがえのない財産であります。そして、モンゴルの森林は、貴国の貴重な持続可能な資源であるばかりでなく、アジアの重要な亜寒帯森林資源として地球温暖化の防止をはじめ地球環境の保全のために大きな役割を果たしています。○  我が国の「緑の募金」は、1950年荒廃した国土の緑化に国民が参加する運動のシンボルとして発足しましたが、半世紀を経た現在は、時代のニーズに対応して運動の範囲を広げ、地球温暖化の防止や水源の涵養など国内はもとより地球環境を保全するための制度として発展しています。

○  また、2005年は21世紀の人類が直面する課題の解決と人類の生き方を発信するため「愛・地球博」が「自然の叡智」をテーマとして開催されますが、このことは世界の人々の関心を地球環境の中核をなす森林資源の保全へと大きく向かわせるものと思われます。

○  このような中、世界的に話題を呼んだ貴国の森林火災被災地において、緑の募金を活用し両国の市民ボランティアが共同で「自然の叡智」に学ぶ森づくり活動を行うことは、単に被災森林の早期復元に資するのみならず、21世紀における地球環境の保全に向けた決意を示すものとなり、世界の人々に大きなメッセージを贈ることになるものと考えます。

○  このたびの国際植樹祭の開催が契機となり両国住民による森づくり活動が大きく発展し、アジアの亜寒帯森林資源の保全に資するとともに贈呈したモンゴリナラの苗木が大きく生長し両国の末永い友好の証となることを祈念します。
2004年9月1日
社団法人 国土緑化推進機構
理事長 木村 尚三郎


予想を越える多くのモンゴルの若者たちが出席してくれました。
モンゴリナラ
Quercus mongolica var. mongolica .葉はミズナラに似ています。
モンゴリナラはブナ科の樹木です。葉は鋸歯が深く、ミズナラやカシワに似ていますが、葉の裏にカシワのような毛はありません。コナラと違って葉柄はほとんどなく、葉が枝に直接ついているように見えます。新緑は鮮やかなエメラルドグリーンで、遠方からでも簡単に見分けることができます。ドングリの殻斗は強く横にふくらみ、先端はくぼんでいます。参考ページ http://uesugi2-web.hp.infoseek.co.jp/genjyo/koyo.htm

贈呈されたモンゴリナラの苗木は モンゴル国立大学エコロジー教育センターにおいて、専門家の手によって育成、管理されます、当面は当センターの温室で温度管理をしながら育成し、将来は当センター内に完成予定の植物園に植える予定です。

   

 セミナー
記念講演  テーマ:『自然の叡智に学ぶモンゴルの森づくり』  モンゴル科学アカデミー植物研究所 (ドゥガルジャヴ 所長) 愛・地球博の紹介(椋事務総長代理)
<記念式典・植樹体験会> 9月20日(月)
セレンゲ県スフバートル近郊
トジンナルス

参加者:日本からのツアー参加者22名 緑の大使&主催団体関係(含同行通訳)13名
モンゴル国 シャーマル村の人々約40名

プログラム
1. 記念式典(10:00~12:00)
(1) 開会
(2) 主催者挨拶
① GNC(宮木代表)
② 社団法人 国土緑化推進機構(田中専務理事)
③ 財団法人 2005年日本国際博覧会協会(椋事務総長代理)
(3) 来賓挨拶
① セレンゲ県知事(バヤルマグナイ氏)
② シャーマル村村長(バトサイハン氏)
(4)  記念植樹
(5) 看板除幕
(6) 友好演奏会
2. 昼食(12:00~13:00)
3. 植樹体験(13:00~15:00)
(1) 植樹方法説明
(2) 植樹作業
4. 交流会(15:00~16:00)
注:ダルハンのホテルに戻って夕食後、セミナー&意見交換会

マリ・クリスティーヌさんの挨拶 (胸には虫除けの携帯蚊取り線香が!)

セレンゲ県知事 バヤルマグナイ氏

シャーマル村村長 バトサイハン氏

マリさんとツアー参加者代表によるアカマツの記念植樹

GNCスタッフによるアカマツの記念植樹

6本のアカマツの記念樹・・・どうぞ根付きますように・・・

除幕式

友好の演奏会
モンゴル人 日本人がペアとなって1年もののアカマツの苗を植えていきます。
およそ50組で4000本ほど植えました。今年は10ヘクタール、3万本を植える予定です。

軍手のボール 木の枝のバット 日モ草野球 結構、盛り上がりました
前走者を追い越してしまうモンゴルの人も??

テントの中で、打ち上げ交流会
典型的なモンゴル料理のボーズ、ホショール、スーテー茶がとても美味しい!
乾杯!お疲れ様でした!森林動物センター長ジャムスランさんと宮木代表

いよいよお別れの時 また来年も会いましょう!
いつまでも手をふって見送ってくれたシャーマル村の人々
<懇親会> 9月21日(火) チンギス・ハーンホテルにて19日のフォーラムの会場でお気軽に遊びにいらしてください!とお誘いしただけでしたので、果たしてどれだけの方々が集まってくださるのか内心、心配でしたが、会場いっぱい、100名を越える大パーティーとなりました。記念撮影やアドレス交換、最後は日本人全員とモンゴル人全員、お互いの国の歌を披露しあいました。今回も関わってくださったすべての皆様のおかげで、充実した温かいツアーとなりました。本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。そしてこの出会いを大切に、また是非、お会いしましょう

思いがけず モンゴル国立大学学生会代表から飛び入りのメッセージをいただきました

会場いっぱいの大パーティーとなりました。
言葉の壁を越えて各テーブルがとても素敵な交流の場に!

モンゴルの民族衣装
デール姿のマリさんにより
乾杯!
↑ 日本人合唱                     モンゴル人合唱 ↓
GNCスタッフ全員集合
デミチッグ(在日留学生) ツォゴー(GNCモンゴル代表) 矢野(事務局) バイガル(現地通訳)  宮木代表  松橋理事  ゾリゴー(在日留学生)
同行通訳の皆さん、お疲れ様でした!!
 本事業は平成16年度 緑の募金国際緑化公募事業に認められ、助成対象となっております

 

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