宮木 一平

ここ数年GNCは、海外では、モンゴル国の持続可能な国づくりを担ってゆく人材の育成やそれにつながるような活動を総合的に行っています。

現在のモンゴルでの活動は、大きくわけて(1)人づくり(2)森づくり(3)公園づくり(4)苗畑づくりです。
(1)の人づくりの活動として、具体的には、エコ教室開催(18学校、23学校、108学校)、セミナー開催(モンゴル国立大学エコロジー教育センター)、アニメ「木を植えた男」上映、環境教育ポスターの作成・配布を行っています。一時的な緊急支援型の活動ではなく、モンゴルの人々自身が自分たちで活動できるような基礎作り、長期育成の活動です。

ただ、いわゆる「教育」に関わるような(1)人づくりに限らず、(1)から(4)の全てに共通していることは、モンゴルの人々と「一緒に学ぶ」ことを通じて、「一緒に課題を発見し、解決策を導き出す。」という点です。

「一緒に学ぶ」というスタイルは、GNC発足当時から一貫したものです。
このスタイルを今は何より大切にしていますが、当初は幸か不幸か、そうせざるを得なかったという面が大きかったのです(今はそれが良かったと思っています。)。

今から約10年前、GNCはモンゴルでの植林事業から活動をスタートさせましたが、当時GNCにはその分野の専門家がいませんでした(今はいます!)。また、資金が潤沢にあったわけでもありません(今でもその点は変わりませんが・・・)。おカネも知識も無い、けれども「共存」を願う志だけはあるという状態でした。

そこで、現場の本当のニーズは何か、本当に役立つ活動は何かということを常に現場の人々と一緒に模索し、専門家を含め多くの方々の意見を聴き、学びながら活動するという今の「一緒に学ぶ」スタイルができあがりました。なお、「一緒に学ぶ」パートナーは様々ですが、とりわけ、ネットワークのリーダーとなり得る、志ある若い企業家や学生、教育者・研究者に期待しています。

「GNCは『共存』を目指し、信頼のネットワークを広げながら、動き続けたいと考えています。」とことあるごとに僕は言い続けています。「信頼のネットワーク」については以下のように考えています。

信頼のネットワーク」とは、コミュニケーションを十分に取り合う関係であり、もっとはっきり言えば「一緒に学ぶ」関係だと考えます。ほのぼのとした仲良し関係では、けっしてありません。常に、切磋琢磨しあうような、ときには緊張感に満ちた関係なのです。

コミュニケーションを十分に取り合い、一緒に学びあうことにGNCはこだわってきました。そして、そうやって築き上げたネットワークが、今のGNCを支えています。その一つのうれしい成果が、GNCのモンゴル支部である「GNCモンゴル」の発足です。ウランバートルのオフィスはオープンしてから1年くらいたちますが、先ごろ、正式にモンゴル国内で法人登録が完了しました。スタッフは、代表のナスカさんをはじめ、ツォゴさん、ノヨさん、トプシンさん、アムガさんという、志も知識も行動力もある一騎当千の頼れる仲間です。

この4月から、いよいよ彼らの独自事業がスタートします。この日が来ることをずっと願ってきただけにうれしい気持ちでいっぱいです。と同時に本当の正念場もこれから来るのだと一段と気を引き締めています。

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