特定非営利活動法人 GNC Japan

2008年度 代表所感

宮木いっぺい

先日、GNCモンゴルのツォゴさんが来日しました。1週間ほどの短い滞在でしたが、その間にとても密度の濃い話し合いをすることができました。

ツォゴさんは、GNCモンゴルの中心メンバーで、GNC全体の理事でもあります。僕ら日本人メンバーとは1996年にはじめて出会い、1999年にはスタッフとなりました。ツォゴさんと出会っていなければ恐らくGNCはモンゴルでの活動を現在のようには続けていなかったことは間違いありません。信頼でき、志を共有して歩んでゆけるパートナーに出会うことは、それほどまでに大切なことです。その後、GNCモンゴルの現在の代表であるナスカさん、その奥さまのノヨさん、ナスカさんの学生時代からの親友のトプシンさん、森林の専門家のアムガさんと次々に信頼できるモンゴルのパートナーと出会うことができました。さらに最近は、在日モンゴル留学生会の素晴らしい若者たちと多くの活動を一緒に行っています。良い出会いに恵まれていること、これはGNCの最大の強みです。

現在、ツォゴさんは、モンゴル国ウランバートル市郊外で、農場経営を行っています。近年、利益追求型の大規模農法が広がり、土地の劣化(現在大きな問題となっている砂漠化につながる)に拍車がかかりつつあるなか、ツォゴさんは、環境にやさしい持続可能な農業を実践し、ビジネスとしても成立させようと努力を重ねています。もちろん経営面で困難は多いですが、これが成功すれば、モデル農場として、今後国内への波及効果が望めます。経済の自由化が急激に進む中で貧富の差が拡大しつつある現在、理想論だけでは人々の心は動かず、ビジネスとしても成立するというモデルを提示することの意義はきわめて大きいと思われます。今回ツォゴさんは、持続可能な農場経営のために必要な技術面、マネジメント面、機材面の情報、とりわけ水耕栽培に関する情報を収集し、帰国後に役立てることを目的として来日しました。

今回のツォゴさんの来日にあわせて、スタッフミーティングを行いました。その際、普段仕事が忙しくてなかなか一同には集まれない面々が、ほぼ全員そろいました。京都や神戸からも駆けつけてくれました。そこであらためて感じたことは、実際に顔をあわせることの大切さです。遠く離れて生活しているメンバー間での普段のやり取りはメール、もしくは電話が中心になっています。今や、ネットの発達によって、書類のやり取りなどあらゆる作業を離れていても効率よく進めてゆくことができます。確かにそれでほとんどのことはオッケーです。ただ、本当に肝心なこと、決定的にジャンプしなければならないことは、同じ空間で顔をあわせ言葉を交わすことで決まってゆくのだと今回痛感しました。「情報」はネットを通じていくらでも集めることができます。しかし、「真に強力な(!)情報」、決定的なジャンプのために必要な情報は、生身の人間同士のコミュニケーションからこそ得られるのだと思います。ネットが発達した今こそ、その価値は以前以上に高まっていると思います。

経済と環境(人々の経済合理性と環境保全)の両立という時代が要請する問題に対して、政府や企業など様々なセクターとともに「具体的に」取り組んでゆかなければならない今、そしてありがたいことに企業からの協力の申し出を多くいただけるようになってきた今、GNCは責任ある姿勢を内外に示してゆく必要性がこれまでより格段に大きくなりました。そのような時だからこそ、顔をあわせて言葉を交わすことの大切さ、いわば原点を確認したいというのが、自戒の念もこめて、今の僕の正直な気持ちなのです。

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